2017
02.28

木材の難燃塗装で認定は降りるのか?

木材の不燃塗装で準不燃認定を取得できないか?というご連絡を多く頂きます。
想定用途としては複合施設のレストラン内装に木材を利用したいという事が多いようです。

しかし、これは残念ながら多くの場合で解決できない問題です。
下記記事で詳しく解説していますのでご確認ください。
SOUFAを使うと消防検査をクリアできますか?
SOUFAを使って消防署と協議する
原則として準不燃材料は現場施工では取得できません。工場で生産された建材であると言う事が想定されている法律の枠組みです。その為、例えば木仕上げ材料であれば、工場で生産管理された状態で薬剤処理された材料でないと準不燃認定はおりません。

これら質問をされるケースは、例えば建築の内装制限がかかる場所で木材を使いたい。しかし準不燃以上の材料とする必要がある為、施工した木材に後塗りで処理する事で準不燃以上として扱えるものはないだろうかと考えるようです。

大前提として、木は燃えます。
不燃塗料や難燃剤を木材に塗布しても不燃木材にはなりません。木材はそもそも燃えてしまう為、認定の取得できている不燃塗料を塗布しても“木材自体”は可燃物のままです。ですから不燃材料としては認定されないのです。

では、市場流通している不燃木材はとの違いは何でしょうか?
流通している不燃木材は、木材用の難燃剤を木材内部にまで浸みこませて製造します。
もっとも一般的な方法が減圧加圧含浸と言われる手法で、木材を大きな釜の中に入れ圧力をかけて木材内部に浸透させる方法です。それら特殊な方法で木材の内部に木材用難燃剤を注入します。

それら方法で作成し所定の試験をクリアしたものが不燃木材として認定されます。
そしてそれら材料は内装制限のかかる個所でも使用する事が可能です。

上記のような理由から、既存材料に後施工で塗装しても認定が下りる事はないんですね。

どうしても不燃木材を利用したい場合は、認定が取れているメーカーの樹種や厚みを規格の中から選ぶことになります。要するに規格品です。

例えば、杉板20mmにて認定番号が付与されている薬剤があるとします。
その薬剤でヒノキ板20mmを使用したい場合は別途認定番号を取得しなければなりません。樹種が違うと効果が異なる可能性があるからです。

ですから、県産材を利用して飲食店の内装を作りたい・・・等の需要を満たす事は現実問題としてはかなりハードルが高いです。
なにしろ、不燃塗料を塗っても認定基準は満たされないのですから。

それらを満たすためには県産材を製造している製材所が自身で不燃認定を取得する必要があります。東京オリンピックの開催も目前に迫ってきており、各種エリアの木質材料はますます需要が高まる事でしょう。
それには経験のあるアドバイザーが必要になるかと思いますが、適当な人材はなかなか見つかりません。

もしくは同じ樹種で既に認定資格を持っている不燃木材メーカーへ材料を持込み不燃認定仕様に加工してもらうと言う事も可能です。ただしその際は最初に持ち込んだ時と材料質感が変わってしまったり、白華現象や結露現象を起こす可能性があります。メーカー担当者とよく相談の上製造依頼をかけて下さい。

木材各社は今後機能性をいかにして付与してゆくかという事が重要になってきます。

不燃木材に利用される薬剤は木材にかなりの量を浸みこませた状態で、やっと不燃認定基準に届く程度です。ですから、現場で塗装した位では不燃材料認定試験の基準には遠く及びません。
ネットで検索すると、あたかも塗布するだけで不燃材料として認定されるというような記述がある場合がありますが、我々の把握している限りではその様な事はあり得ないと思います。

弊社で国土交通省に確認した際には後施工で認定番号が付与される塗料は現時点では考えにくいとの事でした。

完全なる不燃塗料で塗膜を形成できるとしても、それはあくまでも表面塗膜が不燃化しているだけであって、木材材料が不燃木材になったわけではない為“木材”としての不燃認定はおりません。

不燃木材の製造に興味のある業者様はご連絡ください。

詳しくは公式サイトでご確認ください。
SOUFA公式サイト

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