2017
03.03

不燃木材と東京オリンピック

不燃木材と東京オリンピックについて考えたいと思います。
この分野においてはかなりの引き合いを頂いています。

実際に不燃木材の製造に乗り出す企業もあれば、それに付随して広がる機能性木材のマーケット、建材のマーケットに目を向けている方もいます。
それらに対する難燃性付与剤として毒性が低くセルロースへの難燃効果の高いホウ酸系難燃剤suofaに注目が集まっています。

政府の国産材利用促進政策が進み、なおかつ東京オリンピックに向けた関連施設建設に関しても盛んに不燃木材の利用が議論されています。しかしながら不燃木材はまだまだ市場として成熟している訳ではないと弊社は感じています。

業界では有名な話ですが2011年6月に国土交通大臣認定を取得した材料を抜き打ち検査したところ、10社中9社が認定し様に届いていない事が公表されました。当時業界では重く受け止められ不燃木材への信頼も揺らぎました。
当時の認定に届かなかった会社が下記です。
http://www.mlit.go.jp/common/000148062.pdf

業界のトッププレイヤー達に一斉にばつが付いた状況です。

その後の当時の不適格製品に対する対応はあくまでも指導のみで認定番号は取り消されずにその後の認定基準が厳しくなったわけでもありませんでした。当時としては混乱を避け現実に即した判断だったと言えるのかもしれません。

これ自体に大きな問題があると考えられますが、これら企業に認定番号取り消しを出してしまうとその他の未調査企業の不燃木材も調査せざるをえなくなり、はては認定試験そのものに対する疑義も発生してしまう為、行政としてもそれ以上の追及が出来なかったというのが想像に難しくありません。

しかしながら国として認定番号を発行しながらもほとんどの製品が不適合であったという事は誰かが責任を負わなければならない問題だったと思います。

さて、話は変わります。
不燃木材は開発されてからまだ日が浅く未成熟な業界です。大臣認定番号を取得する事で様々な建築への施工が許されるようになりますが、その試験自体は10cm四方の木片に対して薬剤を処理してその試験片のみで測るというやり方です。
※ルール上では実際の材料から切り取られると言う事になっていますが・・・。

しかし実際に現場で施工される不燃木材はもっとサイズの大きいものも当然存在していますので、木材品質にばらつきが出ます。現状ではそれらの品質管理は各メーカーまかせであると言えます。

ただ不燃木材の可能性は大きいと考えています。現時点では「存在しないから需要が無い」とういう状況です。これが「存在している⇒需要が出始める」というフェーズに入ってゆく可能性は十分にあります。
合板やLVL、MDF、パーチなど木質材料の様々な製品が不燃化されれば利用範囲はまずます拡大するでしょう。こうした背景を踏まえて不燃木材業界が盛り上がりを見せています。

現在の不燃木材の問題点は白華現象と結露現象です。
ホウ酸を難燃剤として利用してるメーカーが多いようですが、そのほとんどがホウ酸系難燃剤です。主に8ホウ酸2ナトリウム4水和物が利用されます。
ただこれだけだと水に溶けない為、リン酸2アンモニウムを助剤として投入する事で濃度を上げている薬剤がおおいと聞いています。

これによりホウ酸の濃度が高くなり木材に浸みこませた際に難燃度合いが高くなるのです。

ただ、ホウ酸は白華現象の原因を、リン酸は結露の原因をもっていると言われています。混合液の場合乾燥後にリン酸をしっかりと揮発させる必要があるでしょう。
ホウ酸の白華現象の詳細なメカニズムは解明されていませんが、空気中の水分と結合して木材表面で白く固まってしまうと言われています。
乾燥方法等で軽減できる様ですが、完璧な不燃木材はまだ存在しません。

各社が白華しないと宣伝していますが、控えめに見ても少々無理があると思います。
ホウ酸系はどうしても白華が付き物です。
現在SOUFAで開発している不燃木材は白華をおこしていません。弊社もホウ酸系薬剤となりますが、8ホウ酸ではない別のホウ酸を特殊技術で応用しています。
その為木材内部で定着して白華を起こしにくいと考えられます。ただし施工条件によってはsoufaでも白華をおこす事がある為これからも引き続き検証を続けてゆきます。

こちらにとても興味深いデータがまとめてありましたのでリンクしておきます。
http://www.funen.or.jp/images/funenganshinryo.pdf

不燃剤の含浸量と認定の関係を示したグラフです。

詳しくは公式サイトでご確認ください。
SOUFA公式サイト