12.08

ネオニコチノイド系防蟻剤とは?その「効果」と知っておくべき「リスク」
アメリカカンザイシロアリ, ホウ酸系木材保存剤, ホウ酸系防蟻剤
現在、日本のシロアリ防除において主流となっているのが「ネオニコチノイド系」の薬剤です 。
2003年にシックハウス症候群の原因となるクロルピリフォスが禁止されて以降、それに代わる薬剤として普及しました 。
非常に強力な殺虫効果を持つ一方で、住宅の「長寿命化」や「健康」を考える上では、知っておかなければならないデメリットも存在します。
1. ネオニコチノイド系の特徴とメリット
この薬剤の最大の特徴は、「非忌避性(ひきひせい)」と「遅効性(ちこうせい)」にあります 。
- 非忌避性: シロアリが薬剤の存在(嫌なにおい等)に気づきません。そのため、薬剤を散布した土壌や木材を避けることなく接触し、体に薬剤を付着させます 。
- 遅効性: 触れてすぐには死なず、巣(コロニー)に戻るまで生きています。巣に戻ったシロアリが仲間と接触したり、グルーミング(毛づくろい)し合うことで、薬剤が他のシロアリにも伝播します(ドミノ効果) 。
この性質により、巣ごとの駆除(コロニーの全滅)を狙いやすいという点が、駆除剤としての大きなメリットです 。これらは非常に有効な効果です。
2. 最大の弱点:「効果は5年で消える」
しかし、新築時の「予防」として使用する場合、ネオニコチノイド系には構造的な弱点があります。それは「分解されやすく、効果が持続しない」という点です。
農薬ベースであるための短命さ
もともと農薬として開発された成分であるため、環境への残留を防ぐよう、あえて分解しやすく設計されています。そのため、住宅用の防蟻剤として使用しても、その効果はせいぜい5年程度しか持続しません。分解されるから安全だという言い方もできます。
「壁の中」が無防備になるリスク
新築時には、建築基準法に基づき地面から1メートル以内の柱や筋交いに薬剤処理が行われます 。しかし、5年後に薬剤の効果が切れた際、壁の中にある柱や筋交いを再処理することは、壁を壊さない限り極めて困難です 。
その結果、築5年を過ぎた住宅の多くは、構造上重要な部分が無防備なまま放置されているのが現状です。
3. 健康・環境への懸念
近年、ネオニコチノイド系薬剤の人体や環境への影響についても議論されています。
- 生態系への影響: ミツバチの大量死や失踪など、生態系への深刻な影響が懸念され、欧州の一部では使用が制限されています 。
- 胎児・小児への影響: 成人への急性毒性は低いとされていますが 、発達期の脳に対するリスクや、胎児への影響(母親の殺虫剤暴露と子供の知的障害の相関など)を懸念する研究報告もあります 。安全性が高いというデータの有るネオニコチノイド系の防蟻剤も出てきている様です。
4. 「ホウ酸(SOUFA)」との違い
ネオニコチノイド系と、当社が推奨する「ホウ酸(SOUFA)」の決定的な違いは、**「持続性」と「安全性」**です。
| 特徴 | ネオニコチノイド系(農薬系) | ホウ酸系(SOUFA) |
| 成分 | 合成殺虫剤(有機化合物) | 天然鉱物(無機物) |
| 持続期間 | 約5年(分解・揮発する) | 半永久的(分解・揮発しない) |
| 作用 | 神経毒(即効性〜遅効性) | 代謝阻害(餓死させる) |
| 安全性 | 揮発して空気を汚す可能性あり | 揮発しない。腎臓を持つ哺乳類には安全 |
| 再処理 | 5年ごとに必要(壁内は困難) | 雨に濡れない限り不要 |
結論:長く住む家には「ホウ酸」が適しています
ネオニコチノイド系は、すでに発生してしまったシロアリを駆除する「対症療法」としては強力な薬剤です。
しかし、これから建てる家を何十年も守り続ける「予防」の観点では、5年で効果がなくなる薬剤の使用は、将来的なメンテナンスコストやリスクを増大させます。
- 分解せず、効果がずっと続く
- 揮発せず、室内の空気を汚さない
- アメリカカンザイシロアリ対策として、家全体(全構造材)を処理できる 21
これらの理由から、新築時やリフォーム時の防蟻処理には、SOUFA(ホウ酸)による処理を強くお勧めします。












