2020
07.08

アメリカカンザイシロアリは屋根や柱を食べる

アメリカカンザイシロアリは一般的には、まずペアになった羽蟻が家の外部にある木材なのに侵入する事によって始まる。近年では沖縄などで直接飛来し、屋根の換気口から入る事が分かっています。

その後、小さなコロニーを作り、屋根裏や室内部材を食べてゆきます。在来種のシロアリは地面から侵入し、床下を食害します。ですから、害虫駆除業者は床下点検をする事でシロアリ被害を把握する事が出来ました。しかし、アメリカカンザイシロアリは内部部材を少しずつ食害する為、被害を発見する事が極めて難しく、乾燥したフンが落ちて初めて気が付くことになります。実際にはアメリカカンザイシロアリのフンに関して知見のある居住者は少ない為、ほぼ発見されないまま住宅の主要構造部材を食害されます。

研究チームの家屋調査によると、アメリカカンザイシロアリ被害家屋の被害部位集計では約40%が屋根部材、そして20%が外壁や軒柱などの外構部材、さらに20%が柱、窓枠なとの室内部材という結果でした。

これは今までの新築住宅におけるスタンダードである、地盤面から1mまでの防蟻処理では対応できない事を意味しています。そして対応できないだけではなく、見つける事がそもそも困難であり、見つけたとして、どこまで食害されているのかを判断する事も極めて困難だと言えます。

ですから、アメリカカンザイシロアリに関しては住宅の木部全体に対して、ほぼ出来る薬剤処理を行う事が有効です。事実上、全体の木部処理が可能なのは新築時のみとなります。

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