2020
07.02

柱梁もシロアリに食害されます。

当社は元々2007年に発生した新潟中越沖地震の際に活動を開始したNPO団体を起源としてます。現在、そのNPO団体は既に解散していますが、当時のメンバーとは現在も連絡を取り合っています。

その活動の中で、倒壊、または半壊の木造住宅の柱脚や土台材のほとんどで、ヤマトシロアリや木材腐朽菌による被害が見られ、一部ではヤマトシロアリによる食害が柱のみならず、柱や桁まで到達していました。

それらの被害を受けると当然残存体力が大きく低下する事が想定されます。

古い住宅は防蟻対策をされていない可能性があります。また、新しい住宅においても地盤面から1mまでしかシロアリの対策はされていない為に、柱や梁まで被害に合うという事は、現在の日本の建築基準法では想定されていなかったと言えるでしょう。

そして、既存の防蟻剤に関しては揮発性があり、約5年で薬剤が揮発し効果が無くなると言われています。その為、5年毎の防蟻剤再施工が推奨されているわけです。しかし、実際にはほとんどの新築住宅で防蟻剤の再施工は行われません。

何故なら、柱や梁は住宅完成後隠れてしまう為、施工が事実上不可能だからです。

また、近年では外来種のアメリカカンザイシロアリという大型で強力なシロアリが日本に入ってきています。これは従来の防蟻剤では効果が無い上に、今まで地面から上がってくると考えられている、シロアリと違い、羽があり、自分で飛行し建物に侵入します。これは、今までの日本のシロアリ対策の常識を覆していると言えます。

これらを根本的に対策する事は困難です。考えられる方法は2つあります。

一つは1㎜の隙間もない住宅工法の開発。2つ目は住宅に使用される木質系部材全ての完全な薬剤処理です。

1つ目は現実的に不可能です。2つ目に関しても、現状の有機系予防薬剤では被害の中心になる屋根裏や下記に非常に高温になる事や、住宅内部での薬剤の揮発現象があり、住宅全体に有機系薬剤(農薬)を施工する事は現実的ではありません。

そこで、SOUFAの様な無機系化合物を用いた全棟処理が考えられます。日本ではまだ採用が少なく2020年現在で全棟の無機系処理を行っている大手メーカーはスウェーデンハウスくらいしかありません。

これから、信頼性が高く、安全性の高いSOUFAなどのホウ酸系防蟻剤の普及が増えてくるでしょう。

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