2023
09.12

茅葺や藁葺屋根等の難燃化・防炎加工

最近お問合せが増えてきた内容で下記があります。

  • 茅葺
  • 藁葺

です。お問い合わせが増えた根本理由は分からないのですが、茅葺屋根や藁ぶき屋根等の難燃化や防炎、またそれらを使用した美術作品や展示品等に防炎加工を要求されているという内容のお問合せです。茅や藁といった素材はどうしても可燃性です。また乾燥したものを利用資する事が多いので、よく燃えます。

そこでSOUFAのような難燃剤を利用して難燃化できないかというお問合せが増えているのだと思います。結論として、SOUFAで難燃性能を付与する事は可能です。SOUFAは水性の難燃剤でセルロースに対して高い難燃性を与えます。ですから、茅や藁のようにセルロースを主原料としている材料であれば、塗布や含侵、吹付等で燃えにくくすることが可能です。下記は麻の難燃化です。割と近しい材料になります。

麻袋の簡易燃焼試験です。

ただ、ここで注意いただきたいのが、消防から防炎加工の要請を受けている場合。この場合、消防署の言うところの「防炎」や「不燃」に関して明確な定義が無い場合が多く、まずそこを確認していただく事になります。しかし、消防側もそれらに対してはあまり知見が無いケースが多いので、ただ単に防炎加工と指導しているケースも多いようです。なお、消防の言っている防炎加工とはおそらく、防炎協会が認定している防炎材料の事であり、それは工場で生産される製品を指します。例えば、カーテンやパーティションなどの工業製品です。防炎ベニヤ板というものも有ったりします。利用用途としては展示会で採用が義務付けられていたり、高層マンション等で採用されたりします。

これら製品は工場で安定的に製造される工業製品を前提としています。ですから、茅や藁のように自然素材のオーダーメイド材料に適合を想定した認定ではありません。その為、例えば大きな商業施設の中に、「茅葺屋根を有した小屋を建設して、期間展示を行う」みたいな場合、基本的にはオーダーメイド材料で構成されると思いますので、防炎認定品で作り上げる事はできません。しかし、それら不特定多数の人々が出入りする施設等の場合、建築に対する制限や、建築の制限は問題ないけれども消防担当からNGが出て防炎処理や不燃処理を行わないと営業が許可されないといった事案がままあります。

そういった際に、困った担当者の方が当社へご連絡いただくという流れが多いように感じています。

そして、それらケースの場合、基本的には「その担当者が消防担当者と交渉する」しかありません。また、その場合消防担当者は上記の防炎や不燃といったルールに対する知見はあまりないので、それらは施工担当者側がすることになります。実際にはそれら説明等で許可されるケースはあるようで、実際に当社から製品を購入して施工されたという案件も聞いています。

上記のような交渉を必要とする場合はこちらの記事を参照してください。

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