今までシロアリはジメジメした湿ったところを食べ尽くすため、地上から1m位までの土台・柱に防蟻剤を塗布すれば 防除が出来ていました。しかし最近では乾いた家の上の部分を食い尽くす「アメリカカンザイシロアリ」の存在がクローズアップされてきています。そして、その「アメリカカンザイシロアリ」の被害が今、日本中に広がりを見せています。ant killer borax .
○発見地域は年々増加しつつあり、” 点々と発生”<(社)日本しろあり対策協会、防除施工士受験用テキスト2009>というよりも、” 全国に広く薄く分布する” という状況。現状では、最大数万件の被害が発生していると思われます!
日本では1967 年に初めて東京都江戸川区で発見されました。図1で示すように現在では全国に広く薄く生息しています。 平成21 年8 月現在、被害にあった都道府県を例記しますと、宮城県、山形県、福島県、埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、富山県、福井県、三重県、和歌山県、京都府、大阪府、兵庫県、岡山県、広島県、山口県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、鹿児島県、宮崎県、沖縄県の各地に局部的に集中分布しています。(木材工業ハンドブックより)
○アメリカカンザイシロアリは、その名の通り乾燥した材の害虫であり、米国のワシントン州からメキシコのカリフォルニア半島にかけての太平洋岸地域を原産としている。日本へは家具や梱包材とともに持ち込まれたと考えられているがDNA 解析により複数の侵入があったことが確かめられている。 ○6~9月の日中に群飛を行い、少数の羽蟻が長期間に渡って少しずつ飛び立つ。2 月にも翅蟻の目撃情報があり、一年中翅蟻が生産される可能性があると考えるべきである。 ○これは、職蟻がすべて生殖虫への分化能力を持った擬職蟻であることや新しい材や建物への侵入が専ら翅蟻の群によって行われるという生態的特徴とリンクしていると思われる。
乾材シロアリ アメリカカンザイシロアリ、ダイコクシロアリともに特定の巣を作らず加害箇所が巣に相当する。特にアメリカカンザイは東京都の被害報告を皮切りに港湾都市を中心に被害報告が続いている。アメリカカンザイシロアリは通常は蟻道を作らず比較的に小規模のコロニーで生活する。さらに含水率の高い木材は加害しにくく、被害箇所は天井や小屋組の梁・板材・柱上部が多い。有翅虫の群飛は小規模だが時期は不定期である。被害表面の小孔から表面にある筋のある俵型の顆粒糞(1mm 前後)を排出するのが大きな特徴である。