2025
12.19
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SOUFAを混合してクロス用のでんぷん糊を難燃化できるか?
1. 難燃化のメカニズム
SOUFA(高濃度ホウ酸塩水溶液)を水性糊(デンプン系やアクリル系など)に混合すると、乾燥後にホウ酸の成分が残ります。火災時(加熱時)には以下のような働きをします。SOUFAはセルロースと相性が良く、デンプンは単価促進剤として機能します。
- 発泡・ガラス化: ホウ酸成分が熱によって発泡し、ガラス状の被膜(チャー)を形成します。
- 酸素遮断: その被膜が酸素の供給を遮断し、延焼を防ぎます。
これにより、壁紙と下地の間にある糊の層が「燃え広がらないバリア」として機能します。
2. 糊に混ぜる3つのメリット
- 難燃性の向上: 一般的な壁紙糊は可燃性ですが、SOUFAを混ぜることで自己消火性を持たせることができます。紙クロスや繊維系クロスなど、燃えやすい壁紙と組み合わせることで防火性能の底上げが期待できます。
- 強力な防カビ・防腐効果: SOUFAの主成分であるホウ酸は、シロアリだけでなくカビ菌に対しても非常に強い抵抗力を持つと考えられます。 壁紙の裏側は湿気が溜まりやすくカビの温床になりがちですが、糊にSOUFAを混ぜることで、「燃えない」だけでなく「カビない」壁を作ることができます。これはアレルギー対策としても非常に大きな付加価値になります。
- 安全性: SOUFAは揮発しないため、室内の空気環境を汚染しません。シックハウス症候群の懸念がないため、内装用接着剤への添加に適しています。
3. 重要な注意点(必ずご確認ください)
① 「不燃認定」について
糊にSOUFAを混ぜて燃えにくくしたとしても、それだけで直ちに「不燃材料(または準不燃・難燃)」としての法的認定が取れるわけではありません。建築基準法上の認定は、通常「下地+接着剤+壁紙」の組み合わせ、あるいは「壁紙単体」で試験を行い、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。 「燃えにくくなる(性能)」ことと、「不燃認定品として使える(法律)」ことは別問題ですので、公的な物件で使用する場合はご注意ください。
② 接着強度と粘度
SOUFAは高濃度の塩(えん)を含んでいます。糊の種類によっては、粘度が変わったり(シャバシャバになる、または固まる)、接着強度が低下したりする可能性があります。
- 一般的にデンプン糊などの水溶性接着剤とは相性が良いですが、必ず事前に少量のサンプルで混合テストを行ってください。
- SOUFAは水溶液ですので、糊の希釈水の代わりとして(あるいは希釈水に混ぜて)使用するのがスムーズです。
③ 表面への析出(ブリード)
薄い紙クロスや透過性の高い布クロスの場合、糊に含まれるSOUFA成分が表面に染み出し、乾燥後に白く結晶化するリスクがゼロではありません。厚手のクロスやビニールクロスであれば問題ないケースが多いですが、これも事前の確認をお勧めします。
まとめ:高付加価値な糊が作れます
SOUFAを糊に添加することは、「防炎」+「防カビ」というダブルの機能を壁紙施工に付加できる非常に有効な手段です。 特に、湿気の多い洗面所や、防火意識の高い店舗内装などの糊として差別化が可能です。



