2025
12.17

シロアリの被害確率は?

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シロアリ被害に遭う確率は、**「築年数」**によって劇的に変わります。

国結論から申し上げますと、「築10年を過ぎるとリスクが急上昇し、最終的には3軒に1軒以上の割合で被害に遭う」というのが日本の木造住宅の現実です。

1. 築年数別のシロアリ被害発生率

この調査によると、築年数が経過するごとに被害率は右肩上がりで増えていきます。

築年数被害発生率状況の解説
〜9年数% 程度新築時の防蟻処理(薬剤)が効いている期間を含むため、比較的低い。ただし、施工不良や雨漏りがある場合はこの時期でも発生する。
10〜19年約 13%【魔の10年目】 新築時の薬剤(5年保証)が切れ、延長保証や再施工をしなかった住宅で被害が出始める。約10軒に1軒が被害に遭う。
20〜29年約 19%おおよそ5軒に1軒の割合。外壁のコーキング切れや配管の劣化など、水回りのトラブルも増え、シロアリを呼び寄せやすくなる。
30〜39年約 28%約4軒に1軒。ここまで来ると、構造材(土台や柱)への深刻なダメージが進行しているケースが多い。
40年以上約 35%以上3軒に1軒以上。 メンテナンスをしていない場合、ほぼ確実に何らかの食害があると考えてよいレベル。

2. なぜ「築10年」から急増するのか?

このデータは、これまでの議論(農薬系防蟻剤の持続性)と完全にリンクしています。

  1. 新築時の薬剤(農薬系)は5年で切れる。
  2. 多くの施主は5年後の再施工を行うが、10年後(2回目の更新)になると、「まあ大丈夫だろう」と放置するケースが増える。
  3. 築10年以降、壁の中や床下の薬剤効果が完全に「ゼロ」になる家が激増する。
  4. そこへシロアリが侵入し、被害率が跳ね上がる。

つまり、日本の住宅においてシロアリ被害が増えるのは「運が悪かったから」ではなく、「薬剤の効果切れ(防衛放棄)」と「経年劣化」が重なる必然の結果と言えます。

3. 地域による格差(西日本は特に危険)

日本は南北に長いため、地域によっても確率は異なります。

  • 高リスクエリア: 九州、四国、中国、近畿、東海、関東の沿岸部。
    • 温暖で湿潤なこれらの地域では、ヤマトシロアリだけでなく、より食害スピードが速いイエシロアリの生息域でもあるため、被害確率は上記データよりも高くなる傾向があります。
  • 注意エリア: 東北、北海道の一部。
    • かつてはシロアリがいないと言われていましたが、住宅の高断熱化(床下が暖かい)により、北海道でも被害が報告されるようになっています。

4. 統計に表れない「アメリカカンザイシロアリ」の恐怖

上記のデータは、主に床下から来る「ヤマトシロアリ」「イエシロアリ」の調査結果です。

これまでの記事で触れた「アメリカカンザイシロアリ」の被害は、局地的に爆発的に増えていますが、発見が難しいため、公的な統計データには十分に含まれていません。

  • 発見が遅れる: 床下を見ても分からない(天井裏や壁の中にいる)。
  • 駆除が困難: 巣を特定できないため、家全体をシートで覆って燻蒸(くんじょう)するしかなく、数百万円かかることもある。

そのため、カンザイシロアリのリスクを含めると、実際の潜在的な被害確率は、公表データよりもさらに高いと推測されます。

結論

「うちは大丈夫」と思える根拠はありますか?

「5軒に1軒」や「3軒に1軒」という確率は、交通事故や火災に遭う確率よりも遥かに高い数字です。

戸建住宅において、シロアリ被害は「万が一の災害」ではなく、「メンテナンスを怠れば必ず訪れる経年変化」の一つです。

特に、「築10年を過ぎていて、防蟻処理を更新していない(あるいは壁の中まで処理できていない)」場合は、ロシアンルーレットの引き金を引いている状態に近いと言えるでしょう。

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