2025
12.17
12.17

その断熱材が命取りに。基礎外断熱が「シロアリ対策として最悪」と言われる理由
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1. なぜ「シロアリの天国」と言われるのか
基礎外断熱とは、コンクリート基礎の「外側」に発泡プラスチック系の断熱材を貼り付ける工法です。これがシロアリにとって以下の3つのメリットを与えてしまいます。
- 最高の隠れ蓑(トンネル)になる: シロアリは光や風を嫌い、通常は土や排泄物で「蟻道(ぎどう)」を作って進みます。しかし、断熱材があれば、その中を食い破ってトンネルにしたり、「コンクリートと断熱材の隙間」を通ったりすることで、誰にも見つからずに土台まで到達できます。
- 冬でも暖かい: 断熱材は熱を逃がさないため、基礎周りの土壌温度が保たれます。これにより、シロアリが冬眠せずに活動できたり、越冬しやすくなったりする環境を提供してしまいます。
- 柔らかくて加工しやすい: 一般的な断熱材(EPSやXPSなどの発泡スチロール系)は、シロアリの大顎(あご)で簡単に噛み砕けます。彼らは断熱材を栄養にするわけではありませんが、「進みやすい道」として利用します。
2. 「発見が遅れる」という最大のリスク
ご指摘の通り、最大の問題は「見えないこと」です。
- 通常の基礎(断熱なし・内断熱): シロアリが侵入するには、基礎の表面に「蟻道」を作る必要があります。これは目視点検ですぐに見つかります。
- 基礎外断熱: 蟻道が断熱材の中や裏側に作られるため、外から見ても全く分かりません。 「室内で羽アリが出た」「床がフカフカする」といった末期症状が出て初めて気づくケースが多く、その頃には土台や柱が深刻な被害を受けています。
3. 「農薬系防蟻剤」との最悪の組み合わせ
ここで、これまでの議論(5年で切れる農薬)が絡んできます。 基礎外断熱を採用し、かつ一般的な農薬系防蟻剤(効果5年)を使用している場合、リスクは最大化します。
- 侵入ルートが見えない: シロアリが断熱材の中を登ってくる。
- 薬剤が切れている: 築5年以上経過し、土台や柱の薬剤バリアが消えている。
- 再施工できない: 基礎の外側は土に埋まっており、断熱材の裏側に薬剤を再注入するのは困難。壁の中の柱も再処理できない。
つまり、基礎外断熱の家で農薬系防蟻剤の期限が切れると、「見えないルートから侵入され、無防備な木材を食い荒らされる」という、防ぎようのない状態に陥りやすいのです。
4. それでも基礎外断熱を採用する場合の必須対策
断熱性能や気密性能を確保するために、どうしても基礎外断熱を採用したい場合、以下の対策が「絶対条件」となります。これらが欠けている基礎外断熱は、欠陥に近いリスクを抱えます。
- 防蟻断熱材の使用: ネオニコチノイドなどを練り込んだ「防蟻断熱材(パフォームガードやスタイロフォームATなど)」を必ず使用する。普通の断熱材は厳禁です。
- 物理的バリア(ステンレスメッシュ等): 基礎の裾部分に、シロアリが通れない微細なステンレスメッシュ(ターミメッシュ等)を埋め込み、物理的に侵入をシャットアウトする。
- 基礎内断熱への切り替え: 可能であれば、「基礎内断熱(コンクリートの内側に断熱材を貼る)」に変更する。これなら、シロアリが侵入しても基礎の内側(床下空間)に蟻道が見えるため、早期発見が可能です。
結論:シロアリ対策を優先するなら「基礎内断熱」か「ホウ酸」
ご質問への回答としては、「その通り、シロアリ対策としては非常に筋が悪い(点検困難なリスクが高い)」となります。
もし基礎外断熱の家を建てるのであれば:
- 「防蟻断熱材」の使用は必須。
- 万が一侵入された時の保険として、構造材には「ホウ酸全構造処理」を行っておく(侵入されても木が食べられないようにする)。
この二重の守りがない限り、日本の湿潤な気候とシロアリの多さを考えると、基礎外断熱は避けたほうが無難(基礎内断熱のほうが安全)であると言えます。












