2025
12.10

高気密住宅のシロアリリスクとその対策

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高気密・高断熱住宅では、主に「断熱材の使用方法」「室内環境の維持」の二点から、シロアリ被害リスクが高まったり、予防工法が限定されたりします。

1. 基礎外側断熱工法による侵入リスクの増大

ZEHなど高性能住宅では、熱橋(ヒートブリッジ)を防ぐため、基礎コンクリートの外周や床下全体を断熱材で覆う「基礎断熱工法」が主流です。これがシロアリの侵入経路を作ってしまいます。

課題の要素具体的なリスクと難しさ
断熱材が通り道に基礎の外側に設置される断熱材(主に押出法ポリスチレンフォームなど)は、シロアリにとって柔らかく、簡単に加工できるため、人目につかない最適な侵入経路となります。シロアリは断熱材の内部を食い進み、建物内部に到達します。
薬剤バリアの無効化従来の薬剤は、土壌や基礎の立ち上がりにバリアを形成しますが、シロアリが断熱材の裏側や内部を通って侵入する場合、バリアが迂回され、効果が発揮されません。
早期発見の困難さシロアリの被害が断熱材の内部で進行するため、初期の兆候である蟻道(ぎどう)や食害痕が外部から確認できず、発見が遅れることになります。

2. 薬剤の揮発・汚染リスク(室内環境の維持)

高気密化は、建材の揮発成分や床下の空気を室内に閉じ込めやすくなるため、薬剤処理の選択肢を狭めます。

課題の要素具体的なリスクと難しさ
薬剤の室内流入高気密住宅では、計画換気や全館空調システムが導入されます。これらのシステムが床下の空気を吸い上げたり、室内の空気を循環させたりする過程で、床下に散布した防蟻薬剤の揮発成分を室内に取り込んでしまうリスクがあります。
居住者の健康懸念薬剤の成分が室内に残留すると、特に化学物質に敏感な人、アレルギーを持つ人、小さな子どもがいる家庭で、健康被害のリスクが懸念されます。これが、薬剤処理の採用を避ける大きな理由の一つです。
処理作業の制約床下に空気循環用のダクトや機械が設置されている場合、薬剤を均一に散布する作業自体が難しくなり、処理ムラが生じる原因となります。

3. 法的義務と維持管理の難しさ

  • 処理の義務: 建築基準法上、高気密住宅であっても、地面から1m以内の主要な木材には防蟻措置が義務付けられています。
  • 再処理の課題: 従来の薬剤処理の有効期間は5年間です。再処理を行う際も、上記のような薬剤の揮発リスクや、床下断熱材の存在が作業を困難にします。

抜け道的に高耐久樹種(例えばひのき)を使用する事で、防蟻処理をしないという住宅会社もあるようです。基礎パッキンでシロアリ保証を付ける事も可能な為、「ヒノキはシロアリに強いから処理不要」と宣伝している会社もあります。これは怖いですね。

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