12.09

【世界標準の防蟻剤】「ティンボア(Tim-bor)」とは?ホウ酸処理の代名詞的製品を徹底解説
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日本ではまだあまり馴染み薄いシロアリ対策用のホウ酸系防蟻剤ですが、いくつかの種類があります。その中で世界で最も大きなシェアを占めているのが「ティンボア(Tim-bor)」です。
アメリカやオーストラリアなど、シロアリ対策の先進国で圧倒的なシェアを誇るこの薬剤は、まさに「ホウ酸防蟻の世界標準」と言える存在です。
今回は、この偉大な製品「ティンボア」の正体と、当社が開発した「SOUFA(ソウファ)」との違いについて、専門的な視点から解説します。
1. 「ティンボア」とは?
ティンボア(Tim-bor)は、アメリカの資源大手「リオ・ティント・ミネラルズ社(旧USボラックス社)」が製造・販売している木材保存剤の製品名です。
主成分は「DOT」
ティンボアの中身は、「八ホウ酸二ナトリウム四水和物(Disodium Octaborate Tetrahydrate)」という物質です。
専門用語ではDOT(ディー・オー・ティー)と呼ばれ、ホウ酸塩の中でも特に水に溶けやすく、木材への浸透性に優れた種類です。一般的に薬局等で手に入るホウ酸は水にはあまり溶解しないのですが、こちらはやや水に溶けやすい性質を持っています。
形状と使い方
白い粉末状で販売されており、現場で水(または温水)に溶かして水溶液を作り、木材に噴霧したり塗布したりして使用します。※販売されていると言っても一般の方が簡単に入手できるような状況ではありません。
2. なぜ世界中で使われているのか?
ティンボアが世界標準の地位を確立している理由は、その「圧倒的な実績」と「安全性」にあります。
① 半永久的な効果
農薬系の薬剤が数年で分解してしまうのに対し、ティンボア(ホウ酸塩)は無機鉱物であるため、分解もしなければ揮発もしません。雨に濡れない限り、木材の中に留まり続け、半永久的にシロアリや腐朽菌(腐れ)を防ぎます。
② 人体への安全性
ホウ酸塩は、腎臓を持つ哺乳類(人間や犬猫)にとっては食塩程度のリスクしかありませんが、腎臓を持たない昆虫(シロアリ)には代謝を止める強力な毒として作用します。
また、揮発しないため、シックハウス症候群の原因とならず、空気を汚しません。
③ ハワイ州での全棟処理義務
シロアリ被害が壊滅的だったアメリカ・ハワイ州では、構造材の防蟻処理が義務付けられていますが、そこで採用され、被害を激減させた立役者こそがこのティンボア(DOT)です。
3. 日本での「ティンボア」
日本国内でも、日本ボレイト株式会社などが正規代理店として「ティンボアPCO」などの名称で取り扱っており、公益社団法人日本木材保存協会の認定薬剤として登録されています。この薬剤が2011年に認定されたことで、日本での住宅へのホウ酸適用が広がりました。それまでは、ホウ酸は防蟻業界では嫌われ者のイメージでした。
プロの施工店では、主に以下の2つの方法で使用されています。
- 木部処理: 水溶液にして柱や土台に吹き付ける(一般的な防蟻処理)。エンドユーザーにはあまり関係ない事ですが、使い方としては現場でお湯で溶かします。温度が高いほうが溶けやすい為です。その為、温度が下がりやすい冬場は施工が大変だと言われています。温度が下がると成分が固形化してしまう為です。
- ダスティング(粉体散布): 粉のまま、天井裏や壁の中、床下などに散布する。狭い隙間にも薬剤を行き渡らせる、ホウ酸ならではの工法です。あまり、ここまでやっている会社は少ないですね。
4. 「ティンボア」と「SOUFA」の違いは?
私たちSOUFA(ソウファ)も、ティンボアと同じく「ホウ酸」の力を利用した防蟻剤ですが、製品としての“性質”にいくつかの違いがあります。
| 特徴 | ティンボア(DOT) | SOUFA(ソウファ) |
| 形状 | 粉末(現場でお湯で溶かす) | 水溶液(工場で液体化) |
| 濃度 | 溶解度に限度がある | 特殊技術で超高濃度化 |
| 浸透性 | 一般的なDOTの浸透性 | ナノ化技術で深部まで浸透 |
| 仕上がり | 乾燥すると白く結晶化しやすい | 再結晶しにくい(白くなりにくい) |
SOUFAの技術的アドバンテージ
ティンボア(DOT)は素晴らしい薬剤ですが、高濃度で使用すると乾燥後に木材の表面で白く結晶化(再結晶)してしまうことがあります。それ故か、施工後の現場がやや汚れたように見えると指摘される事があります。これは木材に浸透しきらなかった薬剤が白く結晶化する為におこる現象です。
SOUFAは独自の技術により、「高濃度でありながら結晶化しにくい」という特性を持っています。
これにより、木材の導管が結晶で詰まることなく、有効成分が奥深くまでスムーズに浸透します。また、木材の風合いを損なわないため、意匠性(見た目)を重視する化粧柱などにも使いやすいのが特徴です。
結論:どちらも「正解」です
ティンボアは、ホウ酸防蟻の歴史そのものであり、世界で最も信頼されているブランドの一つです。
そしてSOUFAは、そのホウ酸のポテンシャルをさらに引き出すために日本で開発された、次世代のホウ酸製剤です。日本で流通しているホウ酸系防蟻剤は他にもいくつかありますが、それらは上記のティンボアを改良したものです。その為、濃度を高めるために界面活性剤等を添加して利用されています。
SOUFAはティンボアは使用せずに独自のホウ酸を生成しています。防蟻効果の他に難燃剤としても利用されています。
どちらを選んだとしても、「農薬系薬剤のように5年で効果がなくならない」「空気を汚さない」という決定的なメリットは変わりません。
これから家を建てる方は、「農薬か、ホウ酸か」という選択肢の中で、ぜひ「ホウ酸(ティンボアやSOUFA)」を選んでください。それが、家を長く安全に守るための最短ルートです。












