2017
05.08

古民家改装用途変更で内装制限をクリアする方法

古民家を改装してレストランにしたり、不特定多数の人が集まる施設へ用途変更するというニーズがあり設計事務所の方からご連絡いただく事がままあります。

木材利用について記載しています。

用途変更によって内装制限がかかり、内装を難燃or準不燃にて仕上げる必要が出てくるわけです。
既に建築されているものなので後処理で何とかしなければならず、困っている設計事務所の方も多いようです。

解決策をズバッと提示したいところなのですが、現在の法律下では内装制限を後施工でクリアする方法はないというのが弊社の見解です。ごめんなさい・・・。

この内装制限においての「難燃」「準不燃」というのが曲者で、所定の試験をクリアした材料に認定が付与されます。それに紐づいて「認定番号」が割り振られ、この認定番号が性能を証明するわけです。
ですから、内装制限に難燃or準不燃と記載があるので「認定番号」が必要になり、その番号が付与されていない材料は使用できません。
ところが、難燃や準不燃という認定は「工場で一定の管理下で生産された不燃木材」を大前提としている為、現場処理では認定品とはみなされないのです。
また、そもそも難燃や準不燃の認定試験に通過するレベルの木材を製造する場合、現場施工程度では到底性能が足りず認定基準には届きません。そしてそれを証明する方法もないというのが現状です。

行政庁に相談に行くと内装をすべて石膏ボードで覆ってくださいと言われたりするようです。しかしそれでは古民家の意味がありません。可燃部分が10分の1以下であるとして、設計上逃げたいところですが古民家は梁や柱が太くそれも難しいという事情もあります。

これら不燃基準に関しては、正直なところ行政の窓口担当の方もあまり詳しくないようです。

「特殊な塗料を塗ればなんとかなるんじゃない?」というアドバイスをしてくる担当者もいるようです。

しかし実際には内装制限にかかりそうな建物が運営されているケースも存在します。それは何故なのか?正直なところ弊社にもよく分かりません。

考えられる可能性としては、第3セクターなどで特別に例外的な許可が出たケースか、現場塗装にもかかわらず含浸用の認定番号を設計図書に記載したケースでしょうか。申請を受け付ける側も認定番号が記載されていればそれ以上詳細の表示を追及することはないのが現状ではないでしょうか。
それらの性能を現場で測ることは不可能です。

含浸処理をした正規の不燃材料でも性能不足が問題になった事があります。これ以降木材の不燃認定がかなり厳しくなりました。不燃木材の認定を新たに取得しようとする場合、数年間の研究機関を要すると考えられています。

またそこまで難しい技術で製造されている不燃木材は、使用後に白華や結露液だれ問題を起こすケースも多いようです。

ある建築士の方に聞いた話では、自身が企画する古民家物件で内装をすべて石膏ボード張りにするように行政庁から言われたそうです。ところがすぐ近くに行政が運営する古民家ベースの博物館があり、そちらは特に対策が取られてないかった為、それを指摘したところ明確な回答は得られなかったとの事。
おそらく、行政側が所有する建築なので特別に許可を下ろしたのではないかと邪推されていました。

しかし今後は町おこし等でこの様な取り組みも各地で実施されることでしょう。
その際には民間資本も活用されることになるはずです。しかし現在の法律では内装制限をクリアする方法が現実問題として存在しない為、何か特別な力を利用しないと古民家が再活用できない状態にあります。

弊社にお問合せいただく案件の中には、行政からのものも有ります。
それらは町並み保存地区等を有している自治体で、既存建築の防火や難燃化を条例ごと見直し現在の運用に見合ったものにしたいという思いが見受けられます。実際にはそのようにしないと活性化はしないし、出来ないのですね。

東京オリンピックに向けて、木材の積極利用が叫ばれていますが、積極的に利用したくても出来ないというのが現在の状況です。木材の積極利用を提唱している行政と、それを利用する側の行政によってさまざまな問題を解決してほしいと思います。
必要に応じて緩和措置なども検討する必要があるのではないでしょうか。

木材用の難燃剤であれば現場塗装でもある程度の難燃性を確保することができます。
木造住宅の火災が毎年問題なっているので、そろそろ本腰を入れて検討を進めるべきではないかと思います。