2017
03.03

セルロースナノファイバーの課題

浅はかな知識だな~と反省しつつ、課題を挙げる前にまず特徴を考えてみます。

①軽量であり、鉄の5倍の強度を持つ
②熱による変形が少ない
③植物由来で環境負荷が少ない
④豊富な資源量

大きくはこのあたりでしょうか?実際に製品化されているものもあり、中越パルプ工業と出光ライオンコンポジットの共同研究で、セルロースナノファイバーが練りこんである高強度の樹脂生産が開始されているようです。

課題としてはコストではないでしょうか?

まだまだ量産体制に入っていない為、ゲル状のもので3,000円~5,000円/kg以上の価格が想定されています。
また、ゲル状のものなので樹脂への混錬が難しく、濃度も2~10%程度の為、開発の為に実験テーブルになかなか乗らないのが現状のようです。
CNFの濃度を高める為にパウダータイプのセルロースナノファイバーも開発されているようですが価格は数万円/kgといったところ。

原料は豊富な材料なので、これから量産体制に入れは急激に価格低下するでしょう。日本の大切な技術ですから何とか他国に先駆けて製品化し、一般流通させてほしいものです。

その他の課題としては、セルロースなので可燃性であるという事でしょう。プラスチックに一定量混ぜ込めば強度が増すという事は分かっているものの、難燃性能を付与できない為に開発が中断している事もあるようです。
セルロース系材料に効果の高い難燃剤ならば相性は良いと考えています。

セルロースへの難燃効果が高い事が知られているのがホウ酸です。ホウ酸は昔からセルロースへの効果があると認識されています。ただ難燃剤業界ではホウ酸を主原料としている難燃剤はほとんど存在せず、ハロゲンやリン系、アンチモン等に頼っているのが現状です。

弊社のポリホウ酸ナトリウムとの相性はいいと考えています。
cnfに上手に定着してくれれば分散性も悪くないのでは?と考えています。

弊社ではセルロースナノファイバーの難燃性を付与する検証を行いました。
幾つかのセルロースナノファイバーメーカーよりサンプル提供を受け実施しました。

セルロースナノファイバーとsoufaを混合して水溶液型の難燃剤を作成します。それをPP板へ塗布し45℃燃焼試験を実施したところ5分間耐えることができました。炎の貫通はありませんでした。
PPへプラズマ処理にて親水性を付与するという工程が必要でしたが、今後様々な材料への検討を進めてゆきたいと考えています。難燃機構としてはポリホウ酸ナトリウムの発砲にる酸素遮断とセルロースナノファイバーが炭化剤として機能したことによる炭化促進です。ポリホウ酸ナトリウムはもともとでんぷんとの併用で炭化促進ができる事が分かっていた為、それと構造の似ているセルロースナノファイバーでも適用できるのではないかと考えていました。
でんぷんと概ね同じ程度の効果でしたが、セルロースナノファイバーの方が効果が高くなる材料もあるようです。

セルロースナノファイバーとの適用は今後の検討課題として取り組んでゆきたいと考えています。

ホウ酸は木材防腐や防虫にも効果がある為CNFにはかなり相性が良いのではないでしょうか?

まだセルロースナノファイバーの難燃性研究に関する文献は見かけないので、どこが最初に取り組むのか見ものだと言えます。難燃化が実現できれば難燃性能が必要な自動車やジェット機の材料にもなりうるのではないかと期待しています。