2017
03.01

塗布する事で準不燃認定【後施工】のお問合わせについて

設計事務所さんからとても多いお問合わせです。下記内容です。

「複合施設内装で木材を利用したいけれども塗る事で準不燃認定品になりますか?」

これは答えから言うと準不燃認定品にはなりません。
何とかしたいのは山々なのですが、こればかりは法律がその様な建て付けになっているのでどうしようもないというのが現状です。
建築の場合、所定個所で準不燃認定以上の材料施工を求められることが建築基準法で定められています。例えばレストランの内装を木羽目板で仕上げたいとすれば、大体の場合で建築基準法の内装制限をうけます。
そういった際に設計事務所さんからご連絡を頂きます。

答えはNGなのですが、そもそもなぜNGなのか?という事に回答しているサイトはあまり無い様なので説明したいと思います。

まず大前提として所定の建物は燃えないように作らなければならないという建築基準法があります。
それに対応して、もし使うのであれば燃えない材料もしくはそれと同等材料で施工しなさいというルールがあるわけです。
そして燃えない材料というのは既に明示されていて、例えばコンクリートやガラスといったものです。
しかし、建材には様々な種類のものがあるのでその他材料でも一定の性能を証明すれば燃えないものとして扱いましょうというルールがあります。それが国土交通大臣認定の難燃・準不燃・不燃材料です。
ですから、この認定基準を通過した材料のみ利用が許されると言う事になります。

そして、この認定試験は様々な基準があり、ざっくり言うと火事でも燃えないという事を証明しなければなりません。
また、製品によってばらつきが出ると問題がある為、製造方法等に関しても審査が入ります。その上で全てがOKという判断を所定の試験機関にて証明し、国土交通大臣から認定通知が下りる事で各種認定品という事になるわけです。

では木材について考えてみます。
木材も基本的な考え方は同じです。木材は通常では可燃物として認識される材料です。その為そのままでは所定個所への利用は許可されません。

内装等で木材を利用したい場合は認定番号を取得した企業が認定手法で製造した不燃木材のみが許されると言う事になります。
これは既に試験をクリアし、製造工程等が認定を受けいていますのでその工場で条件を満たして製造される木材に関しては認定番号が付与されています。

ただ、多くの設計事務所さんが望む事は現場にて施工した羽目板に、後から塗装してその材料を準不燃認定品として認定番号を出してほしいと言う事です。しかし認定は上記の様な手順を踏まないと取得する事が出来ず、現場で施工した材料ではそもそも試験もしていないので認定品として認められる事は無いのです。
弊社で国土交通省に確認した限りでは、「現場塗布で認定が取得できる製品があるとは考えにくい。」との回答を受けています。
ちなみに現在の制度下で認定を取得しようとすると数年間の歳月を要します。そのくらい不燃木材の認定制度は複雑です。

我々は不燃木材の研究を行っていますが、弊社の薬剤を塗布した材料を認定試験レベルでテストしても簡単に燃えてしまいます。塗布でも難燃効果はあるのですが、不燃木材はそれよりも更に高い性能を求められているので、塗布ではなく漬け込みにて処理しないと性能が届きません。

下記映像はsoufaを塗布した試験比較燃焼実験です。これだけでも十分に難燃効果があると言えますが、この程度では建材の認定試験を通過する事は出来ません。そのくらい認定試験にて求められている性能は高いと言えます。

弊社にお問合わせ頂く企業さんの中には塗料メーカーも多数あります。
これら企業は上記の様な事を解決しようと考えており、現場塗布で認定を取得できる可能性を模索している会社もあるようです。ただ、今の認定制度の建て付けだとかなり難しいチャレンジです。

現在ではツキ板を利用した不燃合板も様々な種類があるので、それらを利用して意匠を考えることも視野に入れると幅が広がるかもしれません。

詳しくは公式サイトでご確認ください。
SOUFA公式サイト

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