2017
05.10
05.10
セルロースナノファイバー利用塗布型難燃剤の考察
セルロースナノファイバー(CNF)を利用した塗布型の難燃剤についての考察を下記に掲載します。
基材:ポリプロピレン板(PP板)発火点300~400℃、融点160℃
サイズ:200mm*140mm*1mm
CNF 水分量94.58
CNF2wt%水溶液50gを生成し、約13gのbestboronを混ぜることで塗布型難燃剤を作成した。
色は白色であるが完成させると透明な塗布膜となる。塗布操作に十分な粘性を持つ。
これを下記方法で塗布する。
ただし、PP板の濡れ性が低い為、プラズマ処理にて表面改質を行った。
塗布後ドライオーブンにて24時間の乾燥を行う。温度は75℃に設定した。
乾燥後のPP板の写真を示す。
難燃性評価は45℃燃焼試験法を用いた。JIS L1091に準ずる燃焼試験方法であり、5分間炎を当てて背面温度や貫通の有無などを評価する。
試験機は下記を用いた。
試験結果を下記に示す。
PP板の表面に炎が当たると同時に発砲層が形成され、その後に生成された炭化層の2つの層が炎を遮断したことで5分間の燃焼試験に耐えることができた。
同時に実施した試験ではCNFの代わりにでんぷんを用いている。こちらも同じような効果があるが、見た目の違いがあった。
難燃のメカニズムは下記に示す。